教授挨拶

和歌山 県立医科大学医学部付属病院では、形成 外科が診療科として発足して4年ほど経ち、開設時私を含めて2名だった医局員が現在では8名となり、手術件数は600件を超え基幹病院に申請することができました。一方で、赴任当初から現在まで、県内各地において講演活動や手術を行っておりますが、患者さんのみならず、学内の先生方や県内の開業されておられる先生方の中には、「 形成 外科は美容外科とほぼ同じ?」、どんな科であるのか、どういった患者さんを紹介したらよいのか、まだ浸透していないと感じる場面に遭遇します。
形成 外科は、特定の臓器や組織を担当せず、近代の進歩した科学のエッセンスと合理性が集約された診療科であります。例えば、呼吸器内科であれば肺や気管支、消化器外科であれば胃や腸といった特定の臓器を扱う科ですが、 形成 外科は『外表面の形態異常(変形・欠損)』を取り扱い、「全身の目に見えるおかしなところ(醜形)」を治療します。すなわち、マイナスの状態を解剖学的に正常な状態にする外科学であります。
形成外科の診療範囲は、先天異常、外傷、腫瘍, マイクロサージャリー(再建外科、リンパ浮腫)、クラニオフェイシャルサージャリー(頭蓋顎顔⾯外科)、⾼齢者医療(床ずれ) 等の体表⾯の修復など幅広い領域を含みます。その範囲は外科系の中でも突出しており、欧⽶において、形成外科医は「Surgeonʼs surgeon」とも称されています。

和歌山 県立医科大学付属病院 形成 外科 教授

朝村 真一