教授挨拶

浅村教授

和歌山県立医科大学医学部付属病院では、形成外科が診療科として発足して3年ほど経ち、開設時私を含めて2名だった医局員が現在では7名となり、手術件数は500件を超え基幹病院に申請することができました。
一方で、赴任当初から現在まで、県内各地において講演活動や手術を行っておりますが、患者さんのみならず、学内の先生方や県内の開業されておられる先生方の中には、「形成外科は美容外科とほぼ同じ?」、どんな科であるのか、どういった患者さんを紹介したらよいのか、まだ浸透していないと感じる場面に遭遇します。
日本形成外科認定専門医数は、全国において3000名程ですが和歌山県では、私を含めても数名の形成外科専門医しかおりません。
形成外科は、特定の臓器や組織を担当せず、近代の進歩した科学のエッセンスと合理性が集約された診療科であります。例えば、呼吸器内科であれば肺や気管支、消化器外科であれば胃や腸といった特定の臓器を扱う科ですが、形成外科は『外表面の形態異常(変形・欠損)』を取り扱い、「全身の目に見えるおかしなところ(醜形)」を治療します。すなわち、マイナスの状態を解剖学的に正常な状態にする外科学であります。
目を大きくしたい(重瞼術)、鼻を高くしたい(隆鼻術)など、正常より美しい状態を求める方を対象とする外科が美容外科です。よって、対象者は病人ではないため、保険診療は施行できず自費診療となります。
形成外科の診療範囲は、先天異常、外傷、腫瘍, マイクロサージャリー(再建外科、リンパ浮腫)、クラニオフェイシャルサージャリー(頭蓋顎顔⾯外科)、⾼齢者医療(床ずれ) 等の体表⾯の修復など幅広い領域を含みます。その範囲は外科系の中でも突出しており、欧⽶において、形成外科医は「Surgeonʼs surgeon」とも称されています。すなわち、頭から手足の先(爪)まで、あらゆる身体に生じた醜形に対し、様々な手技を用いて、患者さんの「心」を変える(コンプレックスを解消する)科です。

和歌山県立医科大学付属病院 形成外科 教授

朝村 真一

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