リンパ浮腫とは体にたまった老廃物を運搬するリンパ管が何らかの原因によりふさがり、皮膚や脂肪組織の間に体液がたまった結果、むくみ(浮腫)が生じた状態のことをさします。
生まれつきリンパ管やリンパ節の形成不全や機能障害がある場合に発症する一次性(原発性)リンパ浮腫と、子宮がんや乳がんなどの手術後に発症する二次性(続発性)リンパ浮腫があり、二次性リンパ浮腫が全体の80~90%を占めています。一度発症すると、難治性で徐々に進行していきます。蜂窩織炎と呼ばれる感染症状を繰り返したり、リンパ瘻という皮膚表面からリンパ液が漏れ出る状態になったり、皮膚がざらざらして硬くなる症状(家皮)を引き起こすことがあり、生活の質を大きく低下させてしまうことになります。
リンパ浮腫に対する治療は、保存療法(用手的リンパドレナージ(マッサージ)、弾性包帯やストッキングによる圧迫、運動療法)と手術療法です。
手術療法であるリンパ管静脈吻合術(Lymphaticovenular Anastomosis: LVA)は手術用顕微鏡を使って0.5㎜前後のリンパ管と静脈をつなぎ、リンパ液を外に流す道を作る方法です。またリンパ管がすでにリンパ液を押し流す力を失っている場合は他の場所から正常なリンパ組織を移植する手術を行うこともあります。
手術療法の適応については保存的加療の効果と画像評価などを加味した上でリンパ浮腫の担当医と協議して判断いたします。

リンパ浮腫(手術中)

リンパ浮腫手術中写真リンパ浮腫手術中写真

左 顕微鏡下でリンパ管と静脈を吻合しています。は吻合部です。

右 蛍光色素と赤外線カメラでリンパ液がきちんと流れていることが確認できます。