腋臭症(わきが)とは

わきがとは、一般的に汗とともにわきから不快な臭いが発せられる状態のことを言い、医学的には「腋臭症 (えきしゅうしょう) 」と呼びます。

汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺の2種類ありますが、臭いの原因はアポクリン腺から分泌される汗が酸化することによるとされています。

通常、思春期ごろから発症することが多く、加齢とともに症状は目立たなくなることが多いです。

また腋臭症と耳垢は関連があり、腋臭症のほぼ全員(98%)が軟耳垢(湿った耳垢)で、軟耳垢の多く(約80%)に腋臭症があると言われています。

腋臭症の体質は遺伝で、両親の一方が腋臭症の場合は約50%の確率で子どもに遺伝します。必ず遺伝するわけではありませんが、両親のどちらかが腋臭症の場合は子どもも腋臭症の可能性が高くなります。

腋臭症の治療法

侵襲の少ないものから順に解説していきます。

1 . 塩化アルミニウム

基本的には制汗剤ですが、結果的ににおいも抑えるため、腋臭症の方にも有効です。

2 . エクロックゲル5%

(2020年11月26日から処方可能)

作用機序はソフピロニウム臭化物がエクリン汗腺のムスカリン受容体サブタイプ3を介したコリン作動性反応を阻害し、発汗を抑制します。

3 . ボツリヌス製剤の注射

「内服も制汗剤もいまひとつ、汗は止めたい、でも手術はしたくない」方や思春期以前の方を対象とすることが多いです。注射してから4~7日後に効果が出現し、効果は6~10ヶ月持続します。

4 . 手術(剪除法:皮弁法)

腋に1、2か所4~5cmの切開を入れ、皮膚を裏返して汗腺をじかに見ながらハサミで切除していく方法で、基本は入院していただき局所麻酔で手術しますが、ご希望があれば全身麻酔も選択できます。

当科ではドレーン(創部に陰圧をかける管)による固定法、あるいはガーゼで圧迫するタイオーバー固定法を行います。